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御堂筋note magazine

Vol. 4

マネジメントについて

ⅰ.会社をシステムとして理解する

会社は、大きな社会システムの部分であり、下の図のように社会からインプット(人、もの、金、関係者の期待)を受け取り、それらを加工し、アウトプット(製品、関係者満足)を社会に送り出します。会社は、組織と外部環境との間での相互活動を含むオープン・システム・モデルとして描かれなければなりません。これらを統合して生産性を高めていくことが、マネジメントの機能です。このために忘れてはならないことは、コミュニケーションの大切さです。

ⅱ.マネジメントの機能 → 計画立案、組織化、人材配置、指導、統制

会社のシステムの具体的中味である『加工プロセス』をきちんと作動させていくための具体的内容が『マネジメン』プロセスです。経営学者のハロルド・クーンツは、マネジメントの定義を、「個々人が、グループの中で共に働き、効率的に選んだ目的を完遂する環境をデザインし維持するプロセスである。この基礎的な定義は次のように拡大される必要がある。1.管理者として、人々は計画立案、組織化、人材配置、指導、統制という経営管理機能を実行する。2.マネジメントはどんな種類の組織にも適用される。3.マネジメントはすべての組織のレベルに適用される。4.管理者の目的は同じである:剰余を創造すること。5.管理することは生産性に関わっている;生産性とは効果性と効率性を意味する。」と述べています。少しむずかしいですが、要は、「ひと・もの・かねを使って、しっかり成果を出していくために管理者がやるべきこと」は何かということです。ほんのさわりだけになりますが、その内容について見ておきましょう。

 

01. 計画立案

計画立案は使命、目標、そしてそれらを達成するための行動の選択を含み、意思決定を要求します。それがなされなければ、いかなる実際の計画立案も存在しません。そして計画は3年→1年→1ヶ月→1日と具体化され、行動計画として特定されなければなりません。つまり何にどれだけの時間を投入するという覚悟が必要なのです。これを『コミットメント原則』とクーンツは言っています。つまり『コミットメント原則』のない計画は、単なる夢と希望に過ぎないわけです。

02. 組織化

組織化とは、目的を達成するために組織の構造、メンバーの役割構造を確立することです。組織の構造には、会社の組織をどのように明確化するかということが根本の問題としてあります。特に中小企業では、組織があいまいで誰が何の権限を持っているのかあやふやな場合がほとんどです。これでは社員は効果的に働くことができません。ですから、小なりといえども組織をはっきりさせ、だれが何を担当するのか、何の決定権があるのか、だれのボスはだれなのかをはっきりしておくことが大事です。また目標を達成するために必要なすべての課題が確実に割り当てられ、さらに課題を最もうまくこなすことができる人に割り当てられることが望まれます。

03. 人材配置

人材配置は人材充足、人材充足の維持、組織構造内での個人の地位確立を含み、社員の能力の棚卸し(調べて一覧表にしておくこと)、そして人材募集、選考、配属、昇進、評価、キャリアの計画、賃金、さらに訓練やそれ以外に仕事を効果的、効率的に達成するための候補者や、今いる社員の能力開発をしていくことでなされます。 つまり、人ほど高い買い物はないことをしっかりと意識し、会社の思想に共鳴できる人材を採用し、訓練し、育成し、その人のキャリアの開発をしていくことが大切な課題なのです。 また人材に関しては、評価も重要です。特に幹部の評価がもっとも大切なのです。幹部の評価は、目標を達成したかどうか、ここでお話しているマネジメントのしごとをきちんとしているかで評価することが要件です。

04. 指導

指導とは、社員が目標に貢献するようにその行動に影響を与えることをいいます。経営者の重要な問題は、社員の願望、態度、個人として社内での行動です。リーダーシップはフォロワーシップがあることを前提とします。人間は自分自身のニーズ、望み、欲望を満足させる手段を提供する人についていく傾向があるので、指導には動機付け、リーダーシップの色々なスタイルやアプローチのしかたとコミュニケーションが含まれるのです。

05. 統制

統制は、現実が確実に計画に一致するように、部下の活動成果を評価し、是正することです。統制は、目標や計画に対して業績を測定し、ギャップを正す行動を実行に移すことで、計画の達成を確実にすることを手助けします。数字の記録による統制手段は、一般的に必要です。それは計画がこなされているかどうかを測定し、示すものだからです。もしギャップがあるならば、是正が必要です。是正されるものは人間の活動です。誰がその機能に責任があるかということを語ることなくして、何もなしえません。計画に一致させるように実行させていくことは、計画とは異なった結果に対して責任のある人間を突き止め、成果を改善するために必要な手順なのです。

ⅲ.生産性、効果的であること、そして効率

マネジメントの目標は剰余を生み出すことです。抽象的ないい方ですが、新たな価値を生み出すことです。材木店を考えると、仕入商品にさまざまな値打ちをつけ、サービスをつけお客さまが値打ちを感じていただけるより高い値段で販売することです。そのために、経営者は、より生産的でなければならないということです。生産性とは、ある一定期間内において要求された品質での、インプットとアウトプットの比率です。 (生産性=アウトプット/インプット)生産性改善の方法は次の3つがあり、経営者は常にこのことを考えておくことが大事です。

1.インプット(→)、アウトプット(↑)
同じインプットでもって、アウトプットを増やす。

2.インプット(↓)、アウトプット(→)
同じアウトプットを維持しつつ、インプットを減らす。

3.インプット(↓)、アウトプット(↑)
アウトプットを増やし、インプットを減らしつつ、比率を良くする。

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今日のまとめ

経営者は、計画立案、組織化、人材配置、指導、統制というマネジメントの機能を実行する役割を担い、そして管理することは生産性に関わっています。生産性とは有効性と効率的なことを意味します。

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