企業の成長に伴う悩みに立ち向かう
人事制度構築について考え始めたのは、会社の拡大とともに従業員の人数が増え、全員に対し公平に透明性高く接することができるのかと悩んでいた頃でした。また、家族経営から脱し、次の経営者を育てていきたいとも考えていました。何度か面談をする中で、これから先のクロシェのために、新たな仕組みを作る必要があることに気づきました。MDSJグループは、人事制度構築のみならず、税務面でのサポート、経営者に対する勉強会など、経営そのものに寄り添ってくれるパートナーとなっていただけるため、信頼できると感じました。ヒトの問題が急務であったため、まずは人事制度構築ゼミナールに参加することに決めました。
経営者として考え直し、クロシェが進むべき道を示す
人事制度の構築にあたっては、単なる評価制度の設計に留まらず、クロシェとしての進むべき新しい道を社員に示したいと考えていました。社員が判断に迷ったときに、拠り所となるもの、それが行動指針(VALUES)であり、この行動指針を全社員に浸透させることで、一人一人が正しい道を選ぶことができると信じています。行動指針は、社員と対話型のワークショップを繰り返しながら、創り上げました。また、行動指針と紐づくコンピテンシーを設定し、10項目のシンプルな評価制度に仕上げました。
Values行動指針
- 1. 全てはお客様のここち良さのために
- 2. チームワークを大切に
- 3. 日常の小さなことから、新しいことを生み出そう
- 4. チャレンジして昨日の自分を超えよう
- 5. 自分で考え、自分の言葉で
- 6. 不便さに気づき、改良し続けよう
- 7. 余裕を生み出すために、ムダを省こう
- 8. 心に美しさとしなやかさを
- 9. 人生を楽しむ人が、楽しさを創れる
- 10. いつも笑顔で
また、女性が90%以上の組織ですので、自身の双子の出産・育児の経験から、子供のいる社員に対するサポートも行いたいと考えました。フレックスタイム制の導入や残業の禁止などを取り入れ、いかに効率よく働けるかを重視した人事制度を設計しました。効率は私の商売の原点となっていて、バレエシューズや山の手スカートなど、単一アイテムを集中販売するのも私の“効率化好き”が編み出したものです。
スタッフから社長へ、目指せばなれる組織風土を醸成
なりたい自分を演じることができるのが服のマジックだし、ファッションの力だと思います。特にコロナでファッションの在り方も大きく変わりました。トレンドよりも多様性を重視し、自分が好きなカラーやデザインを着て、自分をブランディングして発信していくSNS的な方法がより身近になってきています。個性をだして、自分を包み隠さず出せることが生きがいとなり、それが生きている実感につながっていきます。うちも企業理念として「ここち良さを、あたらしい視点から」を掲げ、自分を表現する新しい視線のビジネスモデルを考え、ポテンシャルを見出していきたいと考えています。店舗のアルバイトからでも、ポテンシャルがあれば社長になれる、そんな組織にしたいと考えてました。社長までのキャリアステップを描いた人事制度、ここにワクワク感を感じてくれる人こそが、クロシェが求めている人材なのだと思います。
ファッション業界に、「あたらしい循環」を作り上げる
クロシェは2024年までに受注生産販売比率を80%に高めることにしています。衣料品の焼却や廃棄が社会問題となる中で、ファッション業界を変えるために、私たちができることを真剣に考え、決意しました。自社ブランドENTO(エント)は、生地の質、デザイン性は勿論のこと、地球にやさしい素材を使うブランドになっています。
コロナという未曽有の危機に直面している現代社会の中で、私たちクロシェは企業として、そして美しい地球に生きている一個人として、どんな未来を描いていけるかを考え、チャレンジしていきます。身に着ける人にとっても、作る人にとっても、売る人にとっても、「ここちよい循環」をクロシェは作ります。
私自身、これから先も判断に迷う場面が沢山あることでしょう。その時には、まずはクロシェの行動指針(VALUES)を振り返り、そこに照らして、クロシェとして進むべき正しい道を選択していきたいと考えています。
会社名 | 株式会社クロシェ |
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本社所在地 | 兵庫県神戸市中央区元町通5丁目8-15クロシェビルディング4F |
設立 | 1996年10月 |
代表者 | 沼部 美由紀 |
従業員数 | 83名 |
主な事業内容 | 婦人服及び服飾雑貨の小売業(直営店10店舗)、輸入業、製造業 |
ホームページ | https://cloche.jp/ |