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御堂筋note magazine

Vol. 3

リーダーシップについて

リーダーシップとは、組織がその目標を達成できるように、ある個人が他のメンバーに影響力を行使するプロセスです。経営者は、リーダーシップについての正しい考え方を身につけて、社員から信頼されるリーダーになる必要があります。なぜなら、社員は社長のことを信頼したいと思っているからです。

ⅰ.組織はなぜリーダーを必要とするか

下の図はチェスター・I・バーナードが描いた、組織の存続するための3つの条件です。そこでは、まず初めにトップのヴィジョンの存在が問われています。あたりまえの話ですが、組織は創始者が何かひとりではできない大きな仕事をメンバーの力を借りて成し遂げるために、メンバーを集め、そしてその意義ややり方などを伝え、理解を得て進めていきます。そして、そこからメンバーのやる気が生まれ、成果が生み出されるのです。ですから、組織の成果創出までのステップは、次の(1)~(3)のようになります。

 

上で明らかなように、メンバーの貢献意欲は、社長の事業に対する思いが引っ張り出すものなのです。それがリーダーの役割なのです。満足には「お金」と「やりがい」の2種類があり(ハーヅバーグ)、「お金」は不満要因になりますが、満足要因にはなりにくいのです。「やりがい」は満足要因の大きな要素であって、だからこそ、「やりがい」ということを大切に考える必要があるのです。

ⅱ.リーダーはなぜリーダーとして認められるか

しかし、「俺は社長だ、リーダーだ」と言っただけでは、社員はついてきません。そのことは、私たちも子供の頃からの数多くの経験でよくわかっていることです。もちろん地位にあることはひとつのリーダーとして認められる要件かもしれませんが、それだけでは、人はついてこないことは明らかです。それ以外に下の図のようなリーダーとしての権限の源があるでしょう。たとえ、公式の地位や権限がなくても、メンバーから慕われ、実際に存在感のある人はしばしばいるものです。そうした人には、必ずスキルや魅力において圧倒的な説得力があるのではないでしょうか。

バーナードによれば、メンバーがある人をリーダーと認めるかどうかについての決定権を持っているといいます。つまりリーダーは、部下に認められてこそ初めてリーダー足りうるのです。これを『権限受容説』といいます。私もまさしくそうだと思うのです。ですから、リーダーは、こうした権限の源泉について日ごろから意識し、リーダーとしてすべきこと、してはならないことを、仕事や生活において実践していかなければなりません。ゆめゆめ驕り高ぶることのないように気をつけてください。

 

ⅲ.リーダーの命令はなぜ聞かれるか

組織においては、日常命令によって仕事が進められていくわけですから、命令の本質と要件について、意識しておくことが必要です。それは、組織において、部下に仕事の命令をなす場合に、リーダーが、その意味と効果的である条件をわきまえ、一方で甘えを排除し、果断に命令をおこなっていくために、わかっておかなければならない事柄なのです。

「命令の本質」
命令とは聞かれにくいものです。それは自我の侵害であるから。

「命令の要件」
そこで、命令が聞かれるためには、次のことが必要になります。
ⅰ部下による受け入れ…言行一致、率先垂範
ⅱ情況の法則
(1)認識が一致している…コミュニケーションが必要
(2)タイミングの重要性…命令の出し時

ⅲ命令の非人格化
(1)専制的命令の排除…都合のいい命令、公私混同では聞かれない
(2)下命躊躇の排除…組織としての役割分担

ⅳ.リーダーシップの発揮を阻害するもの

リーダーシップの発揮をもっとも妨げるもののひとつとして、『まちがったやさしさ』があります。まちがったやさしさとは、部下にきちんとしたしつけや命令ができないこちらの心の弱さをいいます。それは変に人との軋轢を避けたいという自分の性向や身勝手さに由来します。相手の成果、成長を本当に願う心で、いうべきことはいうことが本当のやさしさといえるのではないでしょうか。

(1)鬼軍曹と甘い上司のどちらが、人気があるか?
アンケート結果では70%は鬼軍曹が良いとの答でした。人間の心には正邪を嗅ぎ分ける生まれついての能力があります。「良薬は口に苦し」、しかし長期的には体に効くものです。だから、結局は感謝されることになるでしょう。問題は、苦言を呈して、自分が疎まれることの心地悪さを、リーダーがどう克服するかです。甘やかしはモラルハザードを生む元です。叱り、育てることが、本人のためになるのです。そうでなければ無責任といえるでしょう。
※モラルハザードとは、一見良かれと思ってやったことが、結局その人の甘えを生んでしまう可能性がある現象をいいます。

(2)叱ることを阻害する心の働き
人によっては、人との対決を避けたい、コンフリクト(軋轢)を避けたい心の働きがあります。これは性格形成過程で形作られたものですが、自分のパラダイム(※)を変える必要があります。それは、誰のために叱るのかということです。叱ることで結局得をするのは誰かということです。それを考えた時、大げさにいえば、心のなかに自分の使命感が出てきます。つまり、人を育てることはリーダーの使命であり、子育てと同じことなのです。多くのリーダーが、経営者にできることは、結局人を育てること以外にはないと言っています。
※パラダイムとは、考える際の枠組みをいう。

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今日のまとめ

リーダーシップとは、組織がその目標を達成できるように、ある個人が他のメンバーに影響力を行使するプロセスである。

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