御堂筋note

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御堂筋note

Vol.
20

2代目の心得(経営者になるための心構え)

計画経営の確立(2)

年度経営計画の作成手順と内容

ⅰ.年度経営計画の策定手順

年度経営計画の策定手順は下の図のとおりです。

年度経営計画の策定手順

ⅱ.年度経営計画の内容

年度経営計画は、中期経営計画に基づいたその年の経営の具体的な計画をまとめたものです。その内容は以下のようになりますが、そのポイントは中期経営計画における課題がしっかりと行動計画に落とし込まれているかどうかということです。行動計画とは、だれが、いつ、どのような方法と手順でそれをおこなっていくかを、スケデュール表としてまとめたものです。この行動計画のチェックが実行管理のポイントとなるのです。

1. 表紙
きれいに、重要感があるように全体を装丁します。できれば印刷屋さんに頼んでください。(大切な書類だから重みのあるように作ります。そうすると大切に扱うのです。)

2. 目次

3. 前年度の経営計画の達成度の評価、反省
前年度の計画の達成度を測定評価することが出発点です。これは年度間における経営計画の連続性を確保するための絶対に必要なプロセスです。課題の1項目ずつを評価して採点します。未達成事項は次年度に引き続き課題として取り上げるかどうかを検討し決定します。全体を100点満点として60点以上あれば、一定の成果があったといえます。

4. 本年度経営方針
中期経営計画、前年度の評価をふまえ、本年度の経営の方針を明らかにしたものです。小さな企業では社長が作りますが、規模が大きくなれば部門方針は部門長が作ることになります。

5. 年度経営課題
経営方針に基づき、各部門の経営課題、改善課題を一覧的に明らかにしたものです。これを見れば全社の取り組み課題の全体像がわかります。

6. 重点お客様取組みシート(製造業、流通業などの場合)
自社の売上の上位80%を占めるAランクのお客さまと、どのような取り組みをおこなっていくかの具体的計画書。お客さまのニーズをよくお聴きしてまとめます。これも毎月のチェックの対象となります。

7. 目標管理シート
各部門の経営課題について、目標、内容、手順、担当、予算、スケデュールなど具体的に計画したものです。これにしたがって、経営幹部は各課題の実行状況を毎月チェックし、追いかけていくのです。
これは目標管理のもとになるものですから、全員が作成することになります。

8. 得意先別販売計画、商品別販売計画、新規顧客開発計画等の販売数値計画や生産計画

9. 年度利益計画、資金計画、予想貸借対照表などの経営数値計画

10. 業績管理指標
売上、粗利益、粗利益率、純利益、在庫状況、売掛金回収状況、販売促進活動状況等に経営のパフォーマンスの評価に関して定めた指標を一覧にしたものです。年度目標を定め、これに基づいて毎月の実績を追いかけて行きます。

11.年間スケデュール
月々の主な行事予定の日程をあらかじめ決めたカレンダーを作成しておきます。主な会議予定、大切な社内行事、給料・賞与の支給日、休日、集金・支払等の主要業務、季節毎のやらなければならないことの期限等決めておきます。これらは実際には日にちが変更になってもよいのです。事前に社員に予定がわかっていること大事なのです。特に給料支給日や休日は社員の気持ちの安定に絶対に必要です。カレンダーがあると会社の運営に軸ができます。

12.組織図、業務分担表
業務の分担や権限を明確にするために作ります。10人の会社規模であれば当然に組織図が必要となりますが、それ以下でも作っておきます。

13.我社の会議のしくみ
コミュニケーションのしくみと工夫は、会社運営の骨格となる重要事項です。朝礼や会議、ミーティングはその目的、日時、参加メンバーと各自の役割をはっきりさせておきます。特に朝礼は日々のけじめとコミュニケーションのため絶対に必要です。

14.その他
中期経営計画のところでも挙げましたが、必要に応じて基本指針やさまざまな業務指針、社内の決め事を組み込んでおきます。指針としては、営業の基本姿勢、得意先の格付基準と訪問回数の基準、得意先に対するサービス、クレームへの対応、商品の扱い、受発注のしかた、電話の受け方、接客の態度、在庫の方針、経理の方針、環境整備(そうじ、書類の整備、倉庫の整理整頓、事務所の美化)等さまざまなものがあります。これらの指針は一気にできなくても、何年にもわたり少しずつ整備していけばよいのです。

経営計画の作成と計画経営のポイント

ⅰ.計画を作るのは経営者の最も重要度の高い仕事です。従って時間がないとかその他のできない言い訳はすべて無用。本務の放棄です。

ⅱ.簡単でもいいので、できるものから作ることです。例えばカレンダーと会議のあり方だけの計画でもでもないのと雲泥の差です。

ⅲ.きれいで重要そうにみえるように作ります。

ⅳ.行動スケデュールを作り、自分と社員に行動を迫っていきます。

ⅴ.やるべきことを特定の人間、時間スケデュールに割り当てることが大切です。これが、計画が絵に書いた餅から脱却する出発点です。計画や会議により決められた事項は直ちに、いつするかを決めて手帳に予約します。そしてその日が来れば、ただ黙って実行するのです。

ⅵ.全員で毎月予定と実績、できたかできていなかったかをチェックすること。これが絵に書いた餅から脱却する切り札です。だから会議が必要になるのです。会議を開催してみて身に染みて感じることは、自分がやらなきゃだれもやらないという実感です。そこで、「よしやろう!」と本気になれなければこれはもうだめです。経営者自身が本気になって、はじめてまわりの人間も動き出すのです。

ⅶ.少しずつ少しずつ絶えず改良して行きます。その積み重ねが圧倒的な差になるのです。

ⅷ.業績などをどこまでオープンにできるかです。これは経営者の自分との戦いです。

ここで、ドラッカーの『マネジメント』『創造する経営者』(ダイヤモンド社)から、珠玉のことばをご紹介しておきましょう。
『最善の計画でさえ、それが仕事として具体化されないかぎり、単なる計画すなわち、よき意図であるにすぎない。計画が成果を生むことができるかどうかは、組織の中の主な人材が個々の課題に伴う仕事に割り当てられているかどうかによって決定する。計画は、将来において成果を生む行動に対して、経営管理陣が資源を割り当ててはじめて真の計画となる。さもなければ、約束と希望だけがあるのであって、いかなる計画も存在しない。』
(『マネジメント』より)

『知識が事業である~
企業は、人間の質によって、つくられも壊されもする人間組織である。労働は、いつの日か、完全にオートメ化されるところまで機械によって行われるようになるかもしれない。しかし、知識は、優れて人間的な資源である。
知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とは、それらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。そして知識は、人間、すなわちその頭脳と技能のうちにのみ存在する。
事業が成功するためには、知識が、顧客の満足と価値において、意味あるものでなければならない。知識のための知識は、事業にとって、あるいは事業以外のものにとっても、無用である。知識は、事業の外部、すなわち、顧客、市場、最終用途に貢献して、初めて有効となる。 ほかの者と同じ能力を持つだけでは、十分ではない。その様な能力では、事業の成功に不可欠な市場におけるリーダーの地位を手に入れることはできない。卓越性だけが、利益をもたらす。純粋の利益は、革新者の利益だけである。
経済的な業績は、差別化の結果である。差別化の源泉、及び事業の存続と成長の源泉は、企業の中の人たちが保有する独自の知識である。』 (『創造する経営者』より)

今日のまとめ

経営計画は会社の将来像を描き、実現するために今なすべきことを決めるものです。どのような会社でも必要なものであり、社員を巻き込んで作ることが望まれます。

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