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御堂筋note magazine

Vol. 12

社外ブレーンの選定

(1)外部ブレーンの意義と範囲

外部者というのは、会社の健全な発展にはとても大事な要素であり、外部者を正しく活用することができれば、会社に大きな利益をもたらします。正しく活用するというのは、適格な人物を見つけることと、その人物の強みが活きるような依頼をして仕事をしてもらうということです。適格な人物とは、その関係性を利用して自分の自己存続を第一に考えて政治的な動きをするような人でなく、清廉潔白な人をいいます。一般にチームやコンビを組んで仕事をしていく人は、気の合う人であることが望まれます。
しかし一方では、意思疎通はコミュニケーションの回数と質量に係わってきますから、長い時間をかけて仲良くなっていくことも大切です。初めはもうひとつなじめないと思っても、誠実な人柄の人だと感じればじっくり時間をかけて関係性を構築していくことも可能だと思います。

会社の中には、内部者しかいませんから、自分の組織の特徴、独特の文化については、批判力を失いがちです。いわば自分の体臭は、自分では気づかないようなものです。しかし外部者は、そうした内部者には見えなくなっている、会社の問題点が新鮮な視点から、良く見えるものです。そういった意味で、内部者には気づかない新たな視点から意見を述べてもらうことは、会社の健全性を確保する意味でとても大事なことではないでしょうか?また、水槽に異質で獰猛な魚を一匹入れておくと、いわしや鯵はピリッとして却って活きいきと泳ぐようになるのだそうですが、それと同じように組織にも異質な人間が加わることで、組織全体が活性化することが良くあります。まさにそうした役割が社外のブレーンに求められる役割となるでしょう。

英国の紳士や事業家は、古くから自分が親身に相談できる医者、弁護士、会計士を持つべきだと言われているそうです。外部ブレーンとして、あなたが必要な人はどのような人でしょうか?医者はちょっと置いておくとして、先ず尊敬し信頼できる先輩経営者やコンサルタントがいれば安心です。様々な局面で経営者は迷いに陥りますが、そうしたときに意見を求める人です。いわばコーチ役とも言える人です。
こうした人はアメリカではメンター(Mentor=良き指導者、助言者)といいます。次に会計事務所が挙げられます。さらに弁護士もいざというときに必要でしょう。また中小企業ではマーケティングの分野で知識が不足していることが多く、マーケッターとしてアイデア力に富んだ人はとても頼りになるのではないでしょうか?

その他研究開発、リスク管理、人材開発や人事など様々な分野での人が考えられます。要はその会社の人材構成から、外部で補完してもらうことがとても効果的な分野で外部とのコラボレーションを実現していくことです。

(2)外部ブレーンの見つけ方

ⅰ メンター、師と仰ぐ人を見つける
業界の先輩経営者、お客様や仕入先の先輩社長、コンサルタント、学生時代の先生など、あなたが立派なひとだなぁ、あんな人になりたいと思うような人がいればメンターとして打ってつけです。思わずその人の話し方が、自然に移ってしまうような人です。もしそうした人がいらっしゃれば、積極的にふるまい、知己を得るのが良いでしょう。そしてあなたがその方の人間性に確信を持ったならば、尊敬していることを率直に表明すれば良いのです。敬愛を受けて嫌に思う人などいないからです。

ⅱ 会計事務所の選定
会計事務所の場合には、そこそこ自分と似た年齢の人を選ぶのが良いのではないでしょうか。もちろん年齢だけで決まるものではありません。要は良く勉強している人かどうかです。普通はすでに担当会計事務所を持っているでしょうから、その場合にはその事務所が上のような条件を備えているかチェックして見ます。不幸にしてそうでなく新たな会計事務所を探す必要がある場合には、色々な活動を通じて信頼できる人を探しておくか、特にお勧めするのはメンターなど信頼する人の推薦を仰ぐことです。通常あなたが尊敬に値すると思っている人は、それなりの人と付き合っているものです。

ⅲ 弁護士他の専門法律サービス業の選任
弁護士やその他の士業の方の選任も上と同じです。
中小企業が係わり合いをもつものとして、他に弁理士(特許関係)、司法書士(登記関係)、行政書士(各種許認可)などがあります。しかし、一般に中小企業と深いパイプを持っているのは、会計事務所であることが多いので、そのネットワークを活用していくのも有効な方法です。通常会計事務所は、そのような人脈を持っているものです。

ⅳ マーケッター、生産技術、研究開発、物流などの専門家、コンサルタント
これらの専門家は、各種のセミナー、インターネット、本からのダイレクト接触などの方法があります。しかしやはりこうした専門サービスは、実際に利用した人の印象がもっとも頼りになるでしょう。そうした意味で、広く外部との接点を保ち、常日頃の接触や情報収集に心がけることです。
また、大手企業のOBなどの中にも、中小企業にマッチする方もいらっしゃいます。こうした方にめぐり合えれば、素晴らしい成果が期待できます。しかし大企業のOBの場合は、自分で手足を動かすことがなくなり、何をするにも助手が必要な人も大変多いのでその選別には細心の注意が必要です。

ⅴ 外部の取締役の存在
こうした外部のネットワークの中で本当に素晴らしい人に巡り会えたならば、外部の役員として、会社の経営会議などに出ていただき、意見をいただくことも大変有意義です。近頃は大企業では、取締役に社外の人が選任されることが多くなっていますが、中小企業でも有効な手法だといえます。ぜひそうした方法も交えながら経営の質を高めて行きたいものです。

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今日のまとめ

外部者の存在は内部者に新鮮な刺激を与え、活性化を促します。中小企業ではトップの相談相手や主要機能を担う人材に外部者の活用をしていくことが不可欠です。

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