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人事コンサルティング

選ばれる時代における採用戦略

転職者目線で考える 採用プロセスの設計が、採用の可否を握る!?

コロナ禍における採用の変化について、弊社採用コンサルタントの梅原からお話させていただきます。

❶「Web2.0」と「採用2.0」

 世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、私達の日常生活は大きく変化しつつあります。これまで当たり前に通勤していたオフィスは縮小や解約が増えており、リモートワークという新しい働くスタイルが誕生しました。それ以外にも、営業や会議もWebで実施されるようになりました。これらの変化は、オフィス環境や人事制度、ビジネスモデルにも変化を及ぼしています。実は、このような変化は過去にもありました。インターネットの登場で、インターネットよってIT革命が起こり、私達の生活は様変わりしました。
2005年頃には、ソーシャルネットワーキングやブログ等、Webサイトの在り方も変わったことから、Web2.0というワードが注目されました。このWeb2.0というワードは、情報の送り手と受け手が固定され、送り手から受け手への一方的な流れであった状態から、Webサイトを通じて誰もが自由に情報を発信できるような状態を表現したものでありますが、最近ではお金2.0や仕事2.0などのワードも比較的よく耳にするようになりました。「〇〇2.0」というワードは、これまでの当たり前から概念が変わり、劇的な変化をもたらした新しい状態を表現したものですが、コロナ禍において、ニューノーマルな時代を迎えつつある昨今は、まさに至るところでこの「〇〇2.0」が起こっている状態と言えるのかもしれません。 
 
今回は、コロナ禍における採用の変化をみていきたいと思います。

❷求人動向からみる採用市場

新型コロナウイルスによって業績への影響も大きく、Go toキャンペーン見直しや時短営業等、今後もまだまだ安心はできない状況が続きます。NHKが発表する数値データによると、全体的に有効求人倍率は9カ月連続で低下。ハローワークの求人数は昨年の同じ月より70万件近く減少しているとのことで、年末年始のタイミングで有効求人倍率は1倍を下回る可能性があるとの見方もございます。

 さて、ここで注目すべきは、数値の中身の検証です。
単純にこのグラフとハローワークの求人減少率をみると、転職市場は冷え込んでいるようにも思えます。しかし、前提として新型コロナウイルス禍以前は構造的な人事不足やDX化、コト消費によるサービス構造の変化が問われており、経営戦略・採用戦略には質的な変換が起きておりました。コロナによる休止(一次休止も含む)を検討・判断する企業の流れもありますが、この質的な変化は今後も続くことが予想されます。また、短期的な変化は観光業、飲食業といったコロナウイルス禍による経済活動の一時停止を受けている業種や職種がある一方で、医療や物流・運輸、EC関連、通信関連はこれまでに増して採用活動を活発化している企業もございます。
影響を受けている業界でも、市場創造を見越した攻めの採用戦略を始動させている企業もございます。長期的に見れば、新型コロナウイルスが収束に向かい、新たな様式に適応した経済活動が再開した際、機動的な人的資本が維持されているかどうかが試されます。商品・サービス市場と労働市場の両面から、人事体制を構築し、競争力を維持向上していくことは必須と言えるでしょう。

❸転職者目線と求める情報の変化

■株式会社学情(中堅・中小ベンチャー企業のための若手人材採用サービスを提供)
 ・ 2020年10月版 20代の転職意識アンケート調査
 → 新型コロナウイルスの影響で「転職時期を遅らせた」が約4割
■株式会社リクルートキャリア(リクナビNEXT:利用者数最大級の転職サイトの運営)
 ・ 2020年8月版 就業者への仕事に対するアンケート調査
 → 新型コロナウイルス禍の影響で自身の将来のキャリアについて見つめ直したと回答…58.8%
■株式会社MS-Japan(管理部門・士業特化型ポータルサイト Manegyの運営)
 ・ 2020年9月版 転職意識調査
 → 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、65%が「転職意欲が下がった」と回答新型コロナウイルスは、勿論、企業側だけでなく転職希望者にも影響を及ぼしております。

上記のサイトでは、利用者の属性や回答者数も異なる為、調査によって出ている結果は様々ではありますが、大手転職サイトに登録する転職顕在層から読み取ると、「転職時期は見直す」「自身のキャリアを検討したい」という層が増えていることが分かります。
こちらの数値においても、先ほどの採用縮小の動向と同様、一概に「転職市場は冷え込んでる」とは言い切れないのが実情です。他サイトからは「リモートワークによって転職活動がしやすくなった」「業績が不安定な状況から転職を検討している」「リモート環境が整っておらず、転職を検討している」と、業界やサイトによって、転職者の声は様々です。
その為、逆にこの市場がチャンスであると感じ、「積極的に採用活動を行う事で、業績が安定していることをアピールしたい」という企業様もございます。ここで注目すべきは、転職者の「求める情報が変化している」ということです。転職時期を検討している層が懸念しているのは、「先行きが不安定である」ということ。つまり、アフターコロナでの転職市場においては、より「経営状態」や「ビジネスモデル」「市場シェア」「競合優位性」といった明確な強みにおける情報を求める方が増えることが予想されます。加えて、リモートワーク等々の働きやすさも重視される傾向が強まることが予想されます。

❹“CX”の充実化による採用戦略の構築

 採用においても様々なITツールや採用サービスがリリースされておりますが、コロナ禍においては売上確保も重要であり、採用への投資は限られています。そのため、自らの創意工夫により、限られた資源を有効に活用した改善策を講じていくことが求められます。そこで、その改善策の一つとしてご紹介したいのは、「応募者の就職活動体験を向上させる」=「Candidate Experience」という概念です。(以降、CXと記載)。
このCXを重視した採用プロセスを設計・実行することで、募集主のブランドイメージを高めることに繋がり、更には、細かいイメージの擦り合わせによって入社後の乖離を極力減らし、ミスマッチの少ない採用が可能となり、就業後の従業員満足度やエンゲージメント向上にも繋がると考えられています。転職者に求められる情報が変化している昨今においては、これまで同様、ペルソナに対する発信すべき情報を精査するとともに、どのシーンでどの情報を発信するか、といったプロセスの設計も求められます。
CXとは、「候補者が企業を認知してから選考を終えるまでのタッチポイントの一つひとつに、“候補者の価値体験”を重視したプロセスを設計することで、採用力向上ならびに自社のファン獲得に繋げる」というものである。これは、UX(User Experience:ユーザー体験)に近い概念です。これまでの採用というと、「広く募集する」、「集まった応募者から選定して絞る」、「最終的にマッチ度合から合否を判断する」といった“候補者を選ぶ”イメージが強かったのですが、CXの概念では、「候補者にどのような体験をしてもらうか」、「その結果として、自社に対してどのような印象を抱いてもらうか」までを細かく想定して設計することとなり、“候補者が選ぶ(=候補者から選ばれる)”イメージが強くなります。
そのため、CXの観点から採用プロセスを設計する際には、採用候補者が接する可能性がある全てのタッチポイント(SNS等の情報も含む)において、「どのような体験をしてもらうか」、「結果、どのような印象を抱いてもらうか」を想定して設計することが求められます。

CXの概念は、欧米の採用市場を中心に重要視されたものですが、労働人口の減少により売り手市場が続く昨今では、優秀な人材を採用し続けるために必要不可欠な概念として近年国内でも注目されはじめています。CS(顧客満足度)向上による採用改善を検討するには、まずは、自社と候補者とのタッチポイントがどこにあるのかを把握していくことが必要です。
実はこのタッチポイントは、認知⇒応募⇒選考⇒内定/入社⇒入社後の活躍に至るまで、100程度あると言われています。タッチポイントの種類としては、職員の挨拶や対応、職場の雰囲気や内装、採用担当者からのメールといったリアルかつ細かいタッチポイントもあれば、採用計画策定や競合他社分析、配布チラシ、FacebookやTwitterといった自社内での活動やデジタル活動も含め、多くのタッチポイントが存在します。

これらのタッチポイントを採用工程に分けて分類すると、五つに分けられます。一つ目が企業準備。二つ目が認知。三つ目が応募。四つ目が選考。五つ目が内定/入社。それぞれの工程におけるタッチポイントの種類は、各団体や企業によって様々ですが、ネット普及による採用情報のオープン化や少子化に伴う労働者不足等により、採用は“候補者を選ぶ時代”から“候補者から選ばれる時代”へと変化しています。
コロナ禍によって経営戦略やビジネスモデルの再構築が重要視される昨今。その点に加え、重要となる人事戦略の採用においても、選ばれる時代におけるCXを重視した採用プロセスの設計・実行を推進していくか、経営戦略や事業戦略の実現可否のカギを握っています。

われわれ組織デザイン研究所では、働き方のニューノーマルに対応した人事制度改革をお手伝いさせていただいております。人事コンサルタント6名が在籍しており、随時ご相談を承っておりますので、お困りの際は、是非お声がけください。

 

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