事業承継
事業承継と企業価値
後継者がいない!!事業承継に備えて 知っておきたいわが社の企業価値
後継者がいない場合の事業承継の選択肢や準備についてお話しさせていただきます。
定量的・定性的、あらゆる視点で企業価値を評価し、
将来の存続・発展への選択肢を。
1 後継者不在の事業承継の現状とは
近年の少子高齢化などの影響によって、多くの中小企業が後継者問題に直面しております。後継者がいる場合は、株をどのように承継していくか検討していく必要があり、一方で後継者がいない場合は、廃業を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2016年2月に日本政策金融公庫研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」から60歳以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しており、廃業の理由のうち、「子供に継ぐ意思がない」、「子供がいない」、「適当な後継者が見つからない」との後継者難を理由とする廃業が合計で28.6%を占めておりました。
廃業してしまうと、これまで築き上げてきた実績もノウハウも技術も顧客基盤もなくなってしまい、社員は職を失いその家族も路頭に迷ってしまいます。また取引先にも迷惑がかかり、廃業を告知したその日から売り上げは右肩下がりで落ちていくため、赤字がふくらんで、在庫や機械、不動産などの資産価値も著しく下がってしまいます。「だれにも迷惑をかけず」については、言うまでもありませんが、社員や取引先に何の影響も与えず廃業することは不可能です。
2 後継者がいない場合の事業承継の選択肢
親族内において後継者がいない場合には、社内にて適任者を選び育成し、経営を承継していくことも選択肢の一つになります。また、社内にて適任者がいない場合には、社外から経営者を招聘することも可能かもしれません。これらのケースでは、株式についても承継していくのか、株式については現オーナー一族が引き続き保有するのかの検討は必要になってきます。
3 定量的な視点でのわが社の企業価値
後継者不在の事業承継をすすめていく上で、わが社の企業価値を知るということは最初のステップになります。株式を承継していく場合の株式価値算定にも大きくかかわってきます。親族内承継における自社株算定とは別のアプローチによる評価が必要となります。企業の価値評価は定量的な評価方法として大きく分けて3つの評価方法があります。
❶コストアプローチ
・・・資産の価値からアプローチする方法
❷マーケットアプローチ
・・・他社との比較に観点をおいたアプローチ方法
❸インカムアプローチ
・・・収益からアプローチする方法
このような定量的な企業評価方法は、収益性の向上(損益計算書の視点)、投資の効率化(貸借対照表の資産の視点)財務の最適化(貸借対照表の負債資本の視点)により企業価値向上につながる可能性があります。
4 定性的な視点でのわが社の企業価値
一般的に企業価値というと上記のような定量的価値評価で判断されますが、定性的な見えない資産価値を高めておくことも非常に重要で、着眼点としては以下のことを把握し整えておくことが重要になります。
わが社の現在の企業価値を知りたいという方は、是非下記の“企業価値算定サービスお試しプラン”をご活用ください。
事業承継の出口としてのM&A戦略
もう一つの選択肢になるのがM&Aです。M&Aは大企業が行うものと思われている方もいらっしゃると思いますが、後継者問題を解決するための出口戦略の一つとして事業承継型M&Aは増加しています。M&Aの手法を活用しての事業承継であれば、現オーナー一族は、保有株式を売却し、株式についての承継もスムーズにすすめることができます。
M&Aのメリットとしては以下のようなことがあげられます。
●雇用を守ることができる
●資産価値が維持・向上される
●人材の確保、採用に関するノウハウが得られる
●取引先等に迷惑がかからない
●創業者利潤が得られる
●経営資源の支援が受けられる
●連帯保証が解消される