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御堂筋note magazine

Vol. 21

経営計画発表会をしよう!

経営計画発表会のねらい

経営計画を作ったら、ぜひとも計画の発表会をおこないたいものです。発表会を開く意義はいくつかありますが、次のようにまとめられます。

  • ⅰ.社員への計画の周知と実行のキックオフ
  • ⅱ.利害関係者への周知と協力要請
  • ⅲ.社員の士気を高める
  • ⅳ.発表会の準備プロセスでの社員の盛り上がり

ⅰ.社員への計画の周知と実行のキックオフ

経営計画発表会の基本的なねらいは、社員に対して策定した経営理念、経営計画を周知し計画の実行に向けて決意を新たにすることです。発表会の演出はすべてこのねらいをより効果的にするために工夫されるのです。社員に熱意を込めて経営のビジョン、方向性、具体的取組み内容を語りかけ、協力を依頼し、コミットメントを導き出し、そしてベルトルを一にし、計画の実現を期していくのです。

ⅱ.利害関係者への周知と協力要請

また、経営計画の実現のためには外部の重要な利害関係者の協力がなければできません。そのために、我が社の経営計画の内容を共有してほしい方に参加してもらいます。外部者の存在が社員をピリッとさせるという効果もあります。選ぶ基本は相手とわが社の間にパートナーシップがあるかどうかです。主な参加候補者には、得意先、仕入先、銀行、リース会社、保険代理店、社外取締役や相談役、顧問の弁護士、税理士会計士などがあります。特に、資本の提供者である主要な仕入先や金融機関はぜひとも来てもらいます。また仲間の会社に来てもらってその批評を聞くのも自己満足から脱却するよい方法でしょうし、さらに、得意先や仕入先で是非しっかりしてほしい会社の経営者、次世代経営者を呼んで見てもらうのも良いでしょう。

ⅲ.社員の指揮を高める

発表会にあわせて永年勤続の表彰、業績優秀の表彰などをおこない、社員のモラールアップを図ります。こうしたイベントは、社員も参画してもらって、アイデアを出し合って楽しいものにしてください。そして、時間と費用が許せば、少しカクテル・パーティ形式で懇親を図るのもよいのではないでしょうか。

ⅳ.発表会の準備プロセスでの社員の盛り上がり

また、発表会の準備そのものが社員の気持ちをひとつにしていく効果があります。イベントの準備には、人間を活性化させる要素があります。お客様に対してわが社の団結力を見せる、発表する人が発表のための準備をするなど、普段とはちがう晴れの舞台にむけて、全員で協力して準備をしていくこと自体に意義があるのです。

経営計画発表会のあらまし

ⅰ.経営計画書の準備

経営計画書は基本的にはフルセットのものを作り配布します(これらの経営計画書は今後社内での主要な会議においては、必ず持ってこさせる ようにします)。経営計画書の取り扱いには慎重さが求められるので、表紙に社外秘の表示を行い、併せて配布リストをつけ配布NOを表示するなど計画書の重要性を認識させるようにしておきます。
また利益計画などはすべて全社員、利害関係者にオープンにするのが原則ですが、機密保持、社員の理解度などを考え階層によって内容を変えることもやむをえないでしょう。

ⅱ.発表会の開催時間

発表会の開催時間は、基本的には午前中が、頭がすっきりしていてよいでしょう。ただし業務の都合、あとにパーティを開く予定をしている場合には午後3時くらい開催します。時間的には2時間くらいですが、内容によってもっと時間を取ることもあります。

ⅲ.役割の分担

(ア)司会者
司会者は発表会の活殺を握る重要な役割です。また司会者に選ばれることは名誉ですから、それらの点を考慮して人選を行ないます。メリハリがあって、明朗に元気に話せる人間が適しています。

(イ)発表者
全社の経営方針は社長自らが発表します。それをうけた各部門の方針はそれぞれの責任者が発表します。ただし、発表者のレベル、話の長さは、あらかじめよく相談して、決めておきます。発表の内容については予行演習をしておきます。

(ウ)来賓
来賓のなかからあいさつをもらう場合には、事前に依頼をしておきます。その際話してほしいことや時間の制約があれば話しておきます。

(エ)講評をする者
作成に関与したコンサルタントがいれば、講評をもらうのが良いでしょう。その内容や時間についても事前に相談しておくこと。

(オ)パソコン操作係

(カ)記録係
発表会は会社の定例行事としていくべきものです。このため今後の運営のために、マニュアルを作成しておくことが必要です。また発表会の写真を撮っておくことも必要でしょうから、記録係を選任しておき、これらをまとめさせます。

(キ)来賓等接遇係
来賓の方々にはご多用中わざわざお越しいただくのです。経営者自ら礼をもってお迎えし接遇するが、諸般の雑用もあるため、接遇係を選任して失礼のないようにします。

経営計画発表会の内容と順序

経営計画の発表内容と順序はおおむね次のとおりです。

ⅰ.開会のあいさつ

発表会は晴れの舞台です。元気で歯切れの良い挨拶が発表会の活殺を決めます。ですから挨拶はとても大切なのです。

ⅱ.経営理念の唱和

会社によっては、朝礼などの時に必ず経営理念や社是などを唱和する会社があります。そうした場合には発表会においてもこれを唱和させるようにします。

ⅲ.社長の事業構想、経営方針発表

発表会の中心になるのが社長による事業構想や経営方針の発表です。特に事業構想や中期経営計画など長期的な経営の方向性を社員に熱く語りかけることが大切です。またその上で大切にせねばならない価値観、ものの考え方、行動基準などを経営に関する方針を話しておくことも必要なことです。われわれの事業が何であり、どのような方向に持っていきたいのかについて、社員のコミットメントを得るためのたいせつなアナウンス活動です。
また特に利害関係者など出席者は、前年度の計画の実行状況、業績についてとても知りたいものです。言いっぱなしでなく、計画した内容がどうなったのか、オープンでまじめな姿勢が求められますし、そのことが信頼を勝ち得る基となり、また経営自体にも責任感が生まれます。

ⅳ.各部門管理者の部門経営計画、経営方針発表

社長の方針の発表を受けて、経営計画の策定に関わった各部門の管理者が、部門の経営計画や経営方針を簡潔に発表します。管理者にとっては自らの考えを伝える良い機会になり、また他人に語りかけることが自分の考えを再確認し、まとめあげるよい機会となるはずです。一人あたり5分を目安に長くならないようにします。また、OHPやプロジェクターを使って説明するのもよいでしょう。

ⅴ.来賓のあいさつ

会社は顧客、仕入先・金融機関といった資本の提供者など、利害関係者の中で活かされています。そしてこれらの中で広い視野に立って見識のある意見を言える人は、会社にとっていわば社外取締役のように大切な存在であるといえます。社外の人間から意見をいただくことは、会社が独善主義に陥らないための非常に大切な手段なのです。これら利害関係者の中から代表して発表会にあたってご挨拶をもらうことが、会社にとってまた社員にとっても大変ためになるのです。そこで、単なる社交辞令ではなく、利害関係者の方に、この経営計画を聞いてどう思ったか、本当に実行していけるかについての見解、なにを重点的にしていくべきか、気をつけることはなにかなどの貴重な意見をもらうようにしたいものです。

ⅶ.講評

最後に全体を通じた発表会の印象、計画の全体のおさらい、実行にあたっての社員の心構えなどを経営計画の策定に関わったコンサルタントなどに話してもらう。これは日ごろものを考えることの少ない社員の方に近視眼に陥らない様に、大きな視点、長い時間の視点から経営を捉えてもらうための効果的な手段となるはずです。

ⅷ.閉会のあいさつ

開会の挨拶と同様、礼に始まり礼に終わるために、しっかりきっちりと挨拶をして発表会を締めくくります。

発表会の進行手順

ⅰ.一般的な注意事項

(ア)会場の雰囲気
セレモニーは何よりも荘厳な雰囲気が大切です。ですから会場の5Sは徹底してください、不要なもの、乱雑なものの存在、秩序がない状態はひとの思考、集中の妨げになります。完璧を求めて清潔で、簡潔で、荘厳な雰囲気を演出するように努めます。

(イ)参加者の服装
上のような考え方から、当然に参加者には控えめで上品な服装が要求されます。明確にスーツの色やドレス、シャツの色を指定し雰囲気を壊すことのないようにします。

(ウ)来賓に対する心配り
ご多忙の中わざわざお越しいただく来賓の方々に礼を尽くし、感動を与えるように挨拶や礼儀、サービスについて全社員に徹底しておきます。これも利害関係者に対しわが社の姿勢を、感動を持って感じていただくための大切な機会なのです。

(エ)司会の手順
司会者は、始まりのあいさつ、注意事項の説明(例えば携帯電話のこと)、来賓の紹介(拍手を持って迎える)、進行に応じた紹介、閉会のあいさつを順次おこなっていきます。

(オ)後始末
会社の底力は、一致団結した迅速な行動です。発表会後の会場の後始末はその会社のこうした行動力を示す絶好の機会なのです。また経営者の統率力が見事に表れる瞬間でもあります。意識してよきパフォーマンスを見せてください。

発表会後のフォロー体制~計画の実現にむけて

経営計画の発表はものごとの終わりではなく、始まりです。経営計画を実行し、内容を実現していくことがきびしく問われるのです。そのためには経営計画の実行管理体制をしっかりと整備しておかなければなりません。
実行管理のポイントは、計画の実行状況チェックのための会議の開催、進捗管理のための個人面接の実施、業績管理資料の整備、そのために必要なデータの収集のしくみ整備にあります。仏作って魂入れずにならないためには、計画実行に対する経営者のコミットメントが必要になります。自らの行動のスケデュールをきちんと自己管理し、仕事の優先順位をつけ、真に重要なことに時間を割いて実行していくことが求められるのです。経営計画を推進させる条件は、このように経営者が本気になって取り組むという姿勢の存在なのです。その姿勢が管理者・社員の真剣さを導き出すことになりますし、またそうなるように行動を迫っていかなければなりません。そして常に計画のチェックや動機づけを通じ、全員の計画実現へむけた行動のコミットメントを組織の風土として根付かせていくことをめざして、日々取り組んでいくのです。

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今日のまとめ

経営計画の発表会は、全社員で内容を共有し意識を高め団結力を強化するために行います。仕入先、銀行などの関係者を招き経営の方針を理解してもらいましょう。

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