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経営戦略入門 第1話(5回完結レポート)

〜会社を潰したくない経営者と、創業を成功させたいすべての人へ〜(全5回
第1話・「乱世の経営者は計画を持たなくてはいけません」
 

●はじめに…

経営者の皆さん、そしてこれから創業を志している皆さん、はじめまして。
私は小笠原/河原事務所という税理士事務所の所長を務める小笠原士郎といいます。

私たちの事務所では、正しい財務の知識を基に、「経営者の補完者」として会社経営の成長発展のお手伝いができるよう、税理士事務所としての基本サービスのほかに経営・管理戦略やアウトソーシング、そして各種セミナープログラムを提供しています。

このレポートでは、そうした私たちの経験やノウハウを凝縮して、これからの経営者に求められる能力やスキル、そしてもしそれが不足している場合にはどのようにしてそれを補うかという手法についてお話します。

膨大な内容のお話になりますが、かいつまんで全5回に濃縮してお話します。
専門的な経済用語はなるべく使わず、もし専門用語が必要な場合にはそれに対する解説もつけますから経済・経営の専門知識がない方でも興味さえあれば十分に理解していただけるでしょう。

わずか5回で、数十冊もの経営専門書に勝る内容をあなたにお伝えしたいと考えています。
短距離走ですから、最初から全力疾走でついてきてください。

 

●世は乱世。混迷の時代に淘汰される「プロダクト・アウト」

世の中は変革の時代を迎えています。
「治世と乱世」というような言い方をすれば現代は治世から乱世への異動期にあたるでしょう。

昨日の延長線上に今日があるというわけにはいかない。
夜が明けてみたら世の中がどうなっているかわからない。

こういう時代がこれから数十年、予測によっては60年も続くといわれています。
この乱世は1985年9月に米、日、独、仏、英5カ国蔵相がニューヨークのプラザ・ホテルで、当時問題となっていた米ドル高を是正するために協調介入する旨の声明を出した、いわゆる「プラザ合意」から始まったとみることが出来るでしょう。

別の言い方をすれば経済を国という単位で見ることができなくなり、国際経済という、よりグローバルで不確定かつ弱肉強食の時代のまっただなかに我々は立たされているということです。


日本経済は70年代のニクソン・ショック及びオイル・ショックを越えて高度成長を成し遂げバブル化し、90年にそれが崩壊しました。
日本で現在リタイアを迎えようとしている経営者たちは第二次大戦後のインフレの時代、どんどん「よいモノ」を生産して売ればよかった時代に生きた人たちでしょう。
拡大再生産で右肩上がりを持続できたのです。

企業が自社の販売・生産計画に基づいて、市場へ製品やサービスを投入する経営手法を「プロダクト・アウト」と呼びますが、販売・生産計画に大きなミスがなければプロダクト・アウトだけで経営が出来ていたのです。

しかし、現在はデフレが進み、日本の人口はこれから高齢化・減少傾向が加速します。
こういう時代には「お客様から選ばれる商品・サービス」を提供しなくては企業の生き残りは図れません。

そこで「プロダクト・アウト」から「マーケット・イン」、すなわち消費者のニーズを十分に汲み上げ、それを商品というカタチにして市場に出すという「まず顧客ありき」の考え方が台頭してきました。

頻繁に移り変わる市場の要請に即応していく必要があり、そのために企業組織をフラットにしてスピード化できるよう経営を革新していかなくてはならないのです。

それをさらに進めると次は「カスタマー・イン」という発想が出てきます。
顧客ひとりひとりが望む商品やサービスに対応して個別に提供していくという考え方です。

ITインフラの整備によりこうした経営も不可能ではなくなってきました。
消費不況が長く続いているにもかかわらず、生産/流通業者側が消費者のニーズに気づかず、過剰在庫や販売機会の喪失を生じてしまっているという事実は、企業の多くがいかに「プロダクト・アウト」のスタイルから脱却できていないかという証拠なのです。

 

●「考えてない経営者」が会社を滅ぼす。

さて、皆さんはアメリカの経済学者のピーター・ドラッガーという人物をご存知でしょうか?

世界で初めて企業の経営理論(マネージメント)を体系化した、企業経営の神様と言われている人物で、経済理論の分野では既に「古典」の仲間入りを果たしている優れた学者です。

彼は著書の中で、「サービス・製品の卓越性は人間の脳みそから生まれる」という内容の発言をしています。
すなわち競争に勝ち得るサービスや製品を作りたかったら、経営者は汗水たらして体で働くだけでは足らない。
もっと知恵を絞りなさいということです。

しかし実際に商売をしていたら、経営者というものはあらゆる雑務に忙殺されてしまうものでしょう。
やれクレームがついた、今月の資金繰りをどうしようと悩む。
付き合いや接待でゴルフ・酒の席に引っ張りだされる。
会社に帰ってきたらやれ決済だ、従業員の相談だと振り回され、まったく経営者としての経営戦略を練る時間がありません。

こうした「考えていない経営者(考えさせてもらえない経営者)」がプロダクト・アウトのスタイルを脱却し、「マーケット・イン」「カスタマー・イン」への展開を図ることは不可能に等しいでしょう。

 

●「偶然の経営」で従業員に責任が持てるか?!

皆さんは旅行に行くとき、いきあたりばったりで突然出発しますか?

そんなことはないはずです。
必ず最初に行き先を決め、スケジュールを立てるでしょう。

限られた時間を無駄なく効果的に利用して見たいものを見、食べたいものを食べ、行きたいところを回るプランを立てるはずです。
それに従って宿泊地を決め、交通機関のチケットを手配するでしょう。

しかし現実の多くの経営者はパックの海外旅行ほどにも綿密に自社の経営計画を練れていないように感じます。
問題が発生するたび、いきあたりばったりで対応策を立てて凌ぐ。
景気の変動に一喜一憂する。
こうした「偶然の経営」でも、市場全体が右肩上がりの時はなんとか経営者として通用したかも知れません。

しかし乱世を生き残れるリーダーでないのはあきらかです。

経営とは、適切な利益を残し、従業員の生活を支えるという責任重大な仕事です。
それなのに十分な計画性を持たないというのは、経営者としてあまりに無責任といえるのではないでしょうか。

私は長年税理士として多くの企業経営に携わってきましたが、経験的にいうと十分な計画性を持って経営にあたっている経営者というのは本当に少ないのです。

「成功の80%は計画にあり」。

この言葉を経営者の皆さん、そしてこれから創業を考えている皆さんに送りたいのです。
「がんばれば、なんとかなるさ」で渡っていけるほどこれからの経営は甘くないということをよく覚えておいてください。

では次回以降、「経営者はいかに考える時間をつくるか?」、「限られた時間でどのように計画を立て、優先順序をつけるか?」といった具体的な説明をしてゆきましょう。

 

●第一話のポイント…

・現在は乱世期に突入。旧来のプロダクト・アウト経営手法はもう通用しない。
・「考えない経営者」のいる会社は淘汰される。
・成功の80%は計画にあり。

第ニ話はこちらから >>
 
全5回メニュー一覧
・第一話「乱世の経営者は計画を持たなくてはいけません」
・第二話「経営者は考える時間をつくりなさい」
・第三話「経営計画書の書き方をお教えしましょう」
・第四話「名経営者になるコツ六か条」
・第五話「絶対に経営を革新できる、とっておきの秘訣を授けます」
 
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